か ま ぼ こ の 効 用 | |
第1章 見直される“かまぼこ” | 第2章 “かまぼこ”をもっと知ろう | 第3章 栄養たっぷりの“かまぼこ” | 第4章 “かまぼこ”で健康になる | |
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魚肉に含まれる栄養素 - Back to TOP - かまぼこは魚肉からできています。そこで魚肉にはどのような栄養素が含まれるのか、まず、みておきましょう。1番多いのはなんといつてもタンパク質です。その量は牛肉や豚肉に匹敵します。またカルシウムを筆頭とする無機質が大変豊富です。ビタミンでは、Aはウナギやハモなどに断トツに多く含まれます。B群だと、B1、B2など各種がどれもまんべんなく入っていて、牛肉と変わらないほどです。ちなみに肉類の中でビタミンBが突出して多いのは豚肉です。ビタミンCですが、これは魚肉を始め動物性食品には全く含まれません。その代わりビタミンDとEが大変豊富です。また、炭水化物は牛肉や豚肉同様、魚肉にもごくわずかしか入っていません。このように魚肉はタンパク質が非常に多く、カルシウムを始めとする無機質やビタミンD、Eがたくさん含まれます。ただし、魚肉からつくられるかまぼことなると、話は少しは違ってきます。タンパク質は変わらなくても、それ以外の栄養素は魚肉の時より量が減少するのです。製造段階ですり身を見ずにさらすためです。ですから魚肉のもつそのままそっくりかまぼこからとろうとするのは無理ですが、それは他の食品で十分補えます。実際、みなさんは無意識のうちにそのような食べ方をされていることと思います。それよりもかまぼこが栄養的にすぐれているのはまず高タンパク、低エネルギーであることです。 |
高タンパク低エネルギー - Back to TOP - 体の組織のあらゆる部分はタンパク質からできているといっても過言ではありません。私たちの体を動かす筋肉を始め、血液、皮膚、爪に至るまですべてタンパク質によってつくられていす。これだけでもタンパク質が人間の体にとっていかに重要であるかがわかりますが、動植物性食品にはこのタンパク質が大変豊富です。ただしいくらタンパク質が豊富でもそれが良質でなければ効率は悪くなります。では、良質なタンパク質食品とは何を基準にしていうのでしょうか。タンパク質の中には必須アミノ酸といって、人間の体内ではつくることができずそまため植物から必ずとらなければならないものがあります。大人の場合だと8種類あり、フエニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン、トリプトファン、スレオニン、メチオニン、リジンがそれです。そこで良質なタンパク質食品というのは、これらの8種類のアミノ酸が量的にバランス良く含まれているものをさします。いいかえれば、この8種類のうち1種類でも不足していれば、たとえ他の必須アミノ酸が十分あってもその食品の栄養価は劣ってしまうわけです。そこで魚肉をみてみます。魚肉は牛、豚、鶏肉などの動物性食品と同様、この点に関しては満点といえます。8種類の必須アミノ酸がすべて含まれ、しかもバランスよく入っています。ちなみにタンパク質が豊富とされる豆腐の場合は魚肉を100点満点とするなら82点、白米では65点と、だいぶ劣ります。良質の高タンパク食品という点では魚肉も牛肉も豚肉もみな同じですが、魚肉の場合は低エネルギーであるという点で他の肉類と異なります。魚肉に含まれる油脂は脂肪として体内に蓄積されにくく、また肥満解消の効果もあります。かまぼこは太るのが気になる人や、今ダイエット中の人などには食べても蓄積脂肪になりにくい大変頼もしい食品といえます。 |
肉に優る魚の脂肪 - Back to TOP - 「肉より魚」、最近よく耳にする言葉です。牛肉や豚肉などの肉より魚のほうが体にいいので、すすんで食べましょうという意味合いが含まれています。それにしても今なぜ、魚が体にいいものとして注目されるのでしょうか。魚肉は牛肉や豚肉と同様高タンパク食品です。ところが大きく異なるのが脂肪です。脂肪は脂肪酸という物から作られており、それは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類に分かれます。飽和脂肪酸はとりすぎるとよくなくて、血中コレステロールを増やす働きをします。そのため、長年この脂肪酸を多く含むものをたくさん食べ続けていると、動脈硬化を始めとする成人病(生活習慣病)が起きやすくなります。ところが不飽和脂肪酸は逆で、血中コレステロールを下げるなど、体に大変よい働きをします。不飽和脂肪酸は逆で、血中コレステロールを下げるなど、体に大変良い働きをします。不飽和脂肪酸のうち魚油に含まれている物は血栓を呼ぼうしたり、脳の働きを良くするなどして、成人病予防やボケ防止に威力を発揮するのです。そこでこれらの脂肪酸が牛肉、豚肉、魚肉にはどのように入っているのかみてみると、牛肉や豚肉は飽和脂肪酸が多いのに対し、魚肉には不飽和脂肪酸が大変多いのです。なかでも近年「成人病を予防する」「脳の働きをよくする」「アトピーにいい」などの、さまざまな効果があるとされて注目を浴びているEPAやDHAといった不飽和脂肪酸が、魚の脂肪にはたくさん含まれます。同じ高タンパク食品であるにもかかわらず、近年、「肉より魚」といわれる理由がここにあります。 |
血栓を予防するEPA - Back to TOP - EPAという言葉を耳にされた方は多いと思いますが、これはエイコサペンタエン酸といって、血栓を予防するなどのすぐれた働きをする不飽和脂肪酸です。EPAの名が世界的に知られるようになったのはつい10年ほど前で、デンマークの2人の博士の研究発表によります。彼らはグリーンランドに住むイヌイットが脳血栓や心筋梗塞などの病気にほとんどかからないことに注目し、研究を行ったところ、イヌイットが口にするものにその理由が隠されていることをつきとめました。イヌイットの主な食料といえばアザラシやアシカなどの海の哺乳類の肉や、魚介類です。そこでそれらの食べ物と、イヌイツトの血液を調査した結果、どちらにも血液をかたまりにくくする脂肪酸が多く含まれていることを確認し、イヌイットが血栓性の病気にかかりにくいのはこの脂肪酸の働きによるものらしいと判断したのです。これがEPAで、その研究成果が発表されるや、EPAの名はにわかに高まり、がぜん注目を浴び始めました。EPAが血栓症の予防に効果を発揮するのは、血液が凝集するのを防げるプロスタグランジンというホルモンをEPAがつくりだすからです。ちなみに別の種類のプロスタグランジンはサラダオイルなどに含まれるリノール酸からつくられ、こちらはEPAによるものと違って血液中の血小板を凝固させて血液を固まらせる働きをします。血液は血管の中にあってはサラサラ流れることが大切ですが、いったん外ニ 流れ出たらすみやかに固まることが必要です。プロスタグランジンはその両方の働きをするのです。またEPAはそれだけでなく、悪玉コレステロールを減らしたりね肥満の原因である中性脂肪を現象させたりすることが研究者によって確認されています。EPAが多く含まれるのはイワシ、サンマ、サバ、マグロなどの赤身の魚です。かつては赤身の魚はかまぼこには不向きとされていましたが、今では広く出回っています。成人病が心配という方は、EPAのたっぷり入った赤身魚のかまぼこを積極的にとるようにしましょう。 |
脳の働きをよくするDHA - Back to TOP - 魚肉の持つ不飽和脂肪酸の中でEPAと並んで挙げられるのがDHA、つまりドコサヘキサエン酸です。DHAにはEPAとはまた違ったすぐれた作用があります。特に脳に関するものです。脳には血液脳関門といって、脳にとって必要な物だけを通す、いわば関所のようなところがあります。先のEPAですらほとんど入り込むことの出来ない難所です。ところがDHAだけはここを容易に通過して脳の中の神経細胞に入っていくのです。脳の神経細胞の先にはたこの足のようなものがたくさんでていて、ここからアセチルコリンという神経伝達物質をだして他の細胞にもろもろの情報を伝えるとされます。DHAはその神経細胞の先に入っていき、伝達に効果を発揮します。それを示す実験があります。ノ雨林水産省食品総合研究所によるものですが、DHAを豊富に含むイワシ油で飼われたマウスとそれがまつたく入っていないパーム油で飼われたマウスとを用意し、迷路に放ちます。するとイワシ油食のマウスは遅くとも1分ぐらいて抜けでられたのに対し、パーム油食のマウスはナ何分たっても到着できず、動作も、前者は非常に落ち着いていたのに対し、後者はおどおどしていて集中力に欠けていました。さらに袋小路を複数設けた迷路で行った時も、イワシ油食のマウスは初回は少し迷ったものの、2回目にはたった1度しか迷わずでられたのに対し、パーム油食のマウスは2度目でも何度も迷い、やっと抜け出られるという有様でした。つまり、DHAの入った餌を与えられたマウスはそうでないマウスより学習能力や判断能力で優れることがこれらの実験結果から認められるのです。これはまだマウスの段階にすぎませんが、人間にも十分当てはまると考えられます。DHAが特に多く含まれる魚としてはイワシ、サバ、ハモ、ブリなどが挙げられます。当然、これらからつくられたかまぼこにはDHAが入っています。製造途中の「水さらし」で量が多少減ることがあっても、それでもまだ豊富に含まれます。かまぼこを日常口にすることで知らぬ間に脳の働きが活発になるなら、これほど嬉しいことはありません。 |
牛乳にひけをとらない魚肉のカルシウム - Back to TOP - 現在の日本人の栄養摂取量はほぼ満足出来る状態といわれます。しかし完璧ではありません。それは唯一カルシウムが必要所要量を下回っているからです。カルシウムは人間が生きていく上で大変重要な栄養素です。骨や歯を作るだけでなく、神経や筋肉の働き、血液の凝固などにも必要不可欠とされます。たとえばカルシウムが不足していると、人は交感神経の作用のバランスがくずれ、その結果、いつもイライラしたり、怒りっぽくなったり、ストレスが助長されたりします。また筋肉にしても、疲労した筋肉が元に戻るのはカルシウムの働きによりますから、カルシウムが十分でないと筋肉の内部に疲労が蓄積されたままになってしまいます。しかし、なんといってもカルシウムが一番欠かせないのは子供たちでしょう。骨や歯の成長にはなくてはならないものです。カルシウムをたっぷり含む食品としては牛乳や骨ごと食べられる小魚、海草などが挙げられます。また、魚肉は、牛肉、豚肉などと比べてカルシウムが豊富に含まれています。ただし、カルシウムは量が多ければいいというものではなく、体内によく吸収されるかどうかが重要です。その点、海藻などのカルシウムは吸収はよくありません。というのはカルシウムはタンパク質やビタミンDといっしょにとるとよく吸収されるのです。魚肉や、丸ごと食べる小魚には、タンパク質もビタミンDも豊富です。魚料理は嫌いだがかまぼこなら好き、という子供も多いはずです。カルシウムを補うためにも子供にはかまぼこをたくさん食べさせたいものです。 |
「おでん」は栄養の宝庫 - Back to TOP - 日本人にとりわけ好まれる料理の一つが「おでん」ではないでしょうか。これにはかまぼこがたくさん使われます。つみれ、はんぺん、竹輪、3色ボール、いか巻き、ごぼう巻き、野菜天、さつま揚げ・・・。他にも、ウインナーソーセージ、うずらの卵、えび、たこ、焼売などを中に入れた揚げ物など、たくさんの種類のかまぼこが使用されます。これだけの材料を一度に煮ると、当然いい味になりますし、食欲をそそられます。しかし、おでんの場合はそれだけにとどまりません。栄養の面から大変すぐれています。栄養素がぎっしり詰まっているといって過言ではありません。ところで、かまぼは高タンパク食品であっても、それ以外の栄養素は製造段階で減量することを先にお話ししました。そこでかまぼこを食べる時は他の食品から必要な栄養素を補うことをおすすめしたわけですがおでんの場合は、意識してそうする必要がありません。鍋の中はすでにその状態にあるからです。たとえば、いか巻きやえび巻き。いかやえびには血液中のコレステロールを減少させる作用のあるタウリンが入っています。ごぼう巻きだと食物繊維が、野菜天の人参にはビタミンAがいっぱいです。ビタミンAは油と一緒にとらないと体内に吸収されないのですが、野菜天は油で揚げたものですから、非常によく吸収されます。また、つみれには、EPAやDHAが豊富です。そのうえ、おでんにはかまぼこ以外にも大根、こんにゃく、卵、厚揚げ、昆布巻きなどが使われます。それらの栄養素も加味されますから、まさにおでんは、栄養の宝庫と言っていいでしょう。 |
●ダイエツトメニューで活かす - Back to TOP - かまぼこはダイエットに最適な低エネルギー食品です。そこでかまぼこを使ったダイエットメニューをつくってみました。 |